地球温暖化とワイン

地球温暖化とワイン

みなさんこんにちは! 
AITANA WINE HOUSEの堀内です。

今年の夏は、各所で猛暑が続き、本当に大変な夏でしたね!
実はこの暑さ、ワイン造りにも大きな影響を与えているってご存じでしょうか?

近年ブドウ栽培にも、気温上昇によるアルコール度数の増加、伝統的産地の減少など・・・様々な課題に直面しているんです。

今回、この秋AITANAに新しく入荷予定の、スペイン ナバラのワイナリー、Vitilia Groupのベルタさんから気候変動とワイン造りについて、とても貴重なお話を伺いました。

それを聞いて「ワインは自然や地球と深くつながっているんだな」と、改めて感じました。

この学びをみなさんと共有して、一緒に考えていけたら嬉しいです!

●気温上昇によるワインへの影響

近年、気温の上昇により、ブドウの収穫開始日が年々早まっています。
この暑さの影響により、8月と9月の成熟期にブドウの糖度が一気に上昇して、
「アルコール的成熟(maduracion alcoholica)」と呼ばれる現象が起きています。
この急速な成熟の1番の大きな問題は、ワインに色や味わいを与えるために不可欠な
「フェノール的成熟(maduracion fenolica)」の適切な発達を妨げてしまうことです。

さらに暑さは酸度の低下とpHの上昇をもたらし、ワインの熟成をより早めてしまいます。

しかし、生産者たちは日々工夫を重ね、ブドウ畑を守り、
ワインの品質向上に試行錯誤しています。
では、具体的にどのような対策を行っているのでしょうか。 

 

●気温上昇による生産者の対策

・ブドウ畑の標高を上げる

 標高の高い地域でブドウを育てることで、冷涼で、風通しのいい環境で健全なブドウを作ることが可能になります。

 

・品種の変更

 高温に強い品種(グルナッシュやムールヴェードル)、さらに新しい品種を導入する取り組みも行われています。

 

・栽培方法の変更

 日本では従来取り入れられてきた「棚仕立て」。ブドウの枝を棚の上に広げて、「屋根」のようにすることで、風通しを良くし、日差しや暑さからブドウを守れるので、他国でも棚仕立ての栽培にシフトしているワイナリーもあるようです。

 

他にも品質管理や新しい技術により、変わらない味わい、より美味しいワインを届けられるよう日々努力している生産者たち。

Vitilia Groupもまた、その努力を惜しまないワイナリーなのです。

●Vitilia Groupの想い

「自分たちのブドウ畑を健全に守ることを最優先にする」というVitilia Groupの明確な目標のもと、環境に適応し、新しい技術や働き方を模索しています。

 

●Vitilia Groupの対策

現在では、気候変動の影響を緩和するために、収穫の遅い品種を新しいブドウ畑に植えたり、より標高が高い地域や緯度の高い地域を選んだりして、急速なアルコール的成熟を避ける取り組みを続けています。
品質を守り、年月を経てもワインがその本質とアイデンティティを保ち続けることを目的として、常に最善のブドウ畑の管理技術を学び続けています。

 

 

そんなVitilia Groupがブドウに寄り添い造りあげた、この秋入荷のワイン、みなさん楽しみにしていてくださいね!

 


 ●最後に

今回のテーマで、インポーターとして、またワインを飲むひとりの消費者として、これからも美味しいワインに出会うために何ができるのだろうということを考えさせられました。生産者だけにゆだねるのではなく、ひとりひとりが地球温暖化という環境問題に今一度、思いを巡らせるきっかけになれば幸いです。

 

 堀内

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