海と太陽が織りなすタイルの階段 — 2025大阪万博スペイン館で感じる歴史と未来

海と太陽が織りなすタイルの階段 — 2025大阪万博スペイン館で感じる歴史と未来

大学時代に初めて触れたスペイン。

明るく陽気な空気、歴史が息づく街並み、おいしい食事とワイン。そして何より、人々のあたたかさ。

以来、スペインは私にとって“心がほどける場所”になりました。


そんなスペインの魅力が、見事に表現された【2025年大阪・関西万博 スペイン館】についてご紹介します。


建築が語る「海と太陽」— 光と造形が織りなすランドマーク


スペイン館の外観は、まさに“風景そのもの”。


階段状に広がる大きなスロープは、訪れる者を優しく迎え入れ、空へと導いていくような開放感があります。


昼間はスペインの青空を思わせる清々しさが、そして夜にはライトが幻想的に灯り、まるで海に沈む太陽の余韻のよう。


この建築の象徴となっているのが、「海」と「太陽」という2つの要素。


地球上の生命を育み、スペインと日本のアイデンティティの根幹でもあるこれらの自然の力が、建物の形と空間構成に表れています。


色彩や素材の選定にもその意図が反映され、スペインの地理、文化、人生観を感じる設計になっています。


中央に開けたアーチ型の空間は、水平線に沈む夕日を彷彿とさせ、スペインが持つ情熱と詩情を建築として表現。

構造には集成材による巨大な架構が用いられており、施工は神戸の村上工務店さんが手がけました。

タイルには、サグラダ・ファミリアにも納品しているメーカーの製品を使用。海や太陽を表現した、4色の深みのある色合いが特徴です。

高さ16メートル、幅24メートルにも及ぶこの集成材の架構の美しさをぜひ感じていただきたいとのことです。


黒潮 — 二つの国をつなぐ、一つの海の中へ


展示のインスピレーションとなっているのは、日本とスペインを結んできた「黒潮(くろしお)」です。


かつて東西の豊かな交流を育んだこの海流は、単なる自然現象ではなく、文化や技術、想いを運んできた目に見えない“つながりの象徴”。


スペイン館では、この黒潮を通じて、スペインと日本がどのように何世紀にもわたって結びついてきたのかを体験的に紹介しています。


“海”という共通の舞台の上で、互いの文化が静かに、しかし力強く交差してきた歴史が、建築と展示の両方から感じられるのです。


五感で感じるスペイン文化 — 展示とショップの魅力


館内では、スペインの自然、歴史、芸術、未来が、映像やアートインスタレーションを通じて五感で体験できます。

“文化を届ける”活動と深く重なる空間構成です。

さらにショップでは、オリーブオイル、ビール、AITANA直輸入のスペインワインなどが販売されており、旅の記憶をそのまま家に持ち帰れるような、特別な出会いが待っています。


味わいのフィナーレ — 大阪・本町の名店「エチョラ」がレストランとして登場


このスペイン館での体験を締めくくるのが、レストラン「ETXOLA(エチョラ)」。


大阪・本町のバスク料理の名店が、スペイン館内に特別出店しています。


ピンチョスや郷土料理、スペインワイン、ビール、シードル、サングリア等、スペインの“味の多様性”を楽しめます。

ただの食事ではなく、“味覚を通じた文化体験”として、旅の余韻を鮮やかに締めくくってくれます。


スペイン館で感じる、文化と未来への架け橋


2025大阪万博スペイン館から感じるのは、スペインという国の“懐の深さ”。


建築、芸術、テクノロジー、食、すべてにおいて、自国の伝統を大切にしながらも世界に向けて大胆に発信していく姿勢が印象的です。


スペインに行ったことのある人にも、まだ知らない人にも、このスペイン館は新たな発見と感動をもたらしてくれるはず。


どうぞ皆さまも、ぜひこの体験に触れてみてください。

 

 

三島


※スペイン館公式ページ:EXPO2025 スペイン館公式紹介https://www.expo2025.or.jp/official-participant/spain/

※レストラン「エチョラ」(大阪・本町): 公式サイト https://www.etxola.com/

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