Bodegas Terras Gauda
ボデガス・テラス・ガウダ
スペイン屈指、革新的な白ワインメーカー
ボデガス・テラス・ガウダは、ポンテベドラ州の南西端、ポルトガルとの国境沿いにあるオ・ロサル地区の渓谷に位置しています。そのなかでも葡萄畑は、ミーニョ川の河口に非常に近い一等地にあります。
ガリシア州の5つある原産地呼称のひとつ、D.O.リアス・バイシャスに属し、高貴品種などから白ワインを生産しています。テラスガウダはD.O.リアス・バイシャスに属する200以上のワイナリーの中で最も大きなワイナリーです。
HISTORY
ボデガス・テラス・ガウダの歴史は、1980年まで遡ります。創設者であり、現会長でもあるJosé María Fonsecaは、D.O.リアス・バイシャスの前身とも言える「特定呼称アルバリーニョ(Denominación Específica Albariño)」が1980年に設立されたのをきっかけに、リアス・バイシャスにおけるワイン造りの未来を見据え、ブドウ栽培・酵母の研究・ワイン醸造といったワイン造りにおける一連の流れに携わりました。
Joséはまわりの助けを借りながらも、Viñedos do Rosal S.A.とAdegas das Eiras S.A.というふたつのワイナリーを立ち上げます。そして、長年の夢であった初めての自社生産ワイン「オ・ロサル」を造り上げました。Joséは、アルバリーニョは高貴品種に並ぶほどの良い品種だと考え、リアス・バイシャスの土着品種と組み合わせることにより、それぞれの品種の良いところを高めあい、結果としてオ・ロサルの質を向上できるというものでした。
1989年には近隣のブドウ農家で生産されたブドウからワイン造りを始め、その翌年の1990年にAdegas das Eiras S.Aの名前で「テラス・ガウダ '90」を37,000本生産しました。テラス・ガウダの生産は今もなお続いており、この90年が初年度の生産品です。そして、オ・ロサルのテロワールを忠実に表現するために、自社畑の作付けを進めていきました。
1992年には自社畑の生産量が安定し、テロワールやワイナリー独自の表現をすることが可能になり、アルバリーニョ種から最初のワイン「アバディア・デ・サン・カンピオ」を生産。
1993年にはD.O.リアス・バイシャス初のシュールリーを行ったワイン「テラス・ガウダ エチケタ・ネグラ」を生産。品種の特徴や樽からのニュアンスをしっかりと表現したワインを造り上げました。
その後、Viñedos do Rosal S.A.とAdegas das Eiras S.A.は合併し、ボデガス・テラス・ガウダ社(Bodegas Terras Gauda, S.A.)となり、2011年には「ラ・マール」を生産。カイーニョ・ブランをメインに使った世界で初めてのワインです。ラ・マールは品種の繊細さと力強さを楽しむことができ、ブドウ栽培の世界から完全に消え去ろうとしていたカイーニョ・ブランの種の回復と保存を成し遂げました。
THE WINERY
テラス・ガウダでは厳しい品質基準を定めており、その基準を超えなければワインを出荷することはできません。高品質であり、テロワールを表現したワインを開発・生産することをテラス・ガウダは経営理念としています。
経営理念を実現するために、3つの基本事項を定めています。
- ブドウ畑の成長サイクルに合わせた継続的なケアとコントロール
- すべての品種の醸造を別々に行う
- 自社畑から品種改良した自生酵母で発酵させる
テラス・ガウダでは、伝統的手法と先進的な科学的手法を組み合わせ、独自のワイン造りを行っています。
ブドウの収穫時期になると、自社畑で栽培されている様々な品種が手作業でそれぞれ収穫されます。このとき、ブドウの果実が潰れるのを防ぐため、容量20kg以下の箱でワイナリーに運ばれます。
収穫されたブドウがワイナリーに到着すると、ワイン造りの工程は除梗から始まります。ワインが苦いハーブのような風味を持つのを防ぐため、ブドウは丁寧に破砕され、茎が取り除かれます。
マセラシオンタンクに移されたマスト※とブドウの果皮を一緒に、ワインメーカーによってきめられた温度と時間で保管します。これにより、品種の繊細なアロマとワインのストラクチャーを決める成分を抽出することができます。
※(醗酵前~醗酵が終わるまでのワインの果もろみ)
次に、低圧で作動する空気圧プレス機でゆっくりとマストを抽出します。マストが沈殿した後、不純物を取り除き、15℃から17℃の温度でマストを発酵させます。
VINEYARDS AND SOILS
テラス・ガウダのブドウ畑はワイナリー周辺の自社畑で87ヘクタールあり、コマルカ・ド・コンダードにある補助用の自社畑とパートナーの畑を合わせると合計160ヘクタールにもなります。
ワイナリー周辺の自社畑は海抜50mから150mに位置し、古代の河岸段丘に由来するスレート(変成片岩)で構成され、ワインにミネラル感と、リアス・バイシャスの土壌由来(花崗岩主体)のテロワールをもたらしてくれます。
年平均15℃の穏やかな気温と霜の少なさ、豊富な降水量により、糖度が高くバランスの取れた酸度のブドウを作ることができます。
テラス・ガウダには地域の土着品種が植えられています。
- アルバリーニョ 65%
- カイーニョ・ブラン 24%
- ロウレイロ 10%
- トレシャドゥーラ 1%
これらの品種は、地元の伝統を尊重しながら慎重に栽培され、気候や土壌の素晴らしい組み合わせのおかげで、毎年高品質のワインを生産することができます。
・アルバリーニョ
テラス・ガウダの代表的な品種で、他のブドウに比べ小さな果実をつける品種です。とても繊細な品種で生産が難しいですが、リアス・バイシャスのテロワールを最大限に表現してくれます。特徴として、フルーツの華やかな香り、心地よい酸味とフレッシュなミネラルを感じます。
・カイーニョ・ブラン
1990年後半にはほぼ絶滅してしまい、リアス・バイシャスで生産されている95%はテラス・ガウダの自社畑で生産されています。バランスの良い酸味と土壌由来のミネラルからなるストラクチャーが特徴です。
・ロウレイロ
ガリシアとポルトガルの土着品種で、バルサミコや白い花のノートなどからなる複雑なアロマが特徴的な品種です。
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